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暦:23XX年 東南オアシス:水森[ミズモリ]  今から150年程前に、突如起きた世界の砂漠化。現在もその原因は解明されず、人類は砂の上で生活している。  海はあるが塩分の濃度は濃い、森と呼べる程の木々はなく、水も少ない。おかげで、最も価値があるものは水となり、その貴重な水が湧き出る土地が必然的に都、つまりオアシスとなった。  自分がいるこのオアシスの近隣では、かつて栄えた都市が眠っているらしく、大掛かりな発掘作業が進められている。ただ発掘したとしても、砂の重みで崩れている可能性が高いので価値が出るかは不明らしい…。そのおかげで、市街はいつも関係者達で賑わっているのだから、それはそれでいいようだ。 「水依![スイ]交代の時間だぞ」  オレの名は水依、このオアシスで水守人[ミズモリビト]の仕事をしている。内容はそのまま、水を守る事。一日に配る水量は決められているせいで、盗む者が出てくるからだ。
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