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狩人
彼の地にはモンスターと呼ばれる生き物がいた。
モンスターは人に害をなし、それ故、人はモンスターを忌み嫌っていた。
そう、モンスターは彼の地では最強の生態系だった。そして更にモンスターの中でも竜たちは絶大な地位をもっていた。
解り合えることなど無い。人とモンスターの間には殺し合いが必ず付きまとう。例外とて常に例外として在るわけではない。
強大な力を持つモンスターに恐怖する人は、モンスターに対抗すべき力、つまりはモンスターを狩る狩人の存在を作りあげる。彼等はハンターと呼ばれ、人の盾となり剣となった。
次第にハンターはギルドという組織を作り上げる。組織となったハンター達はチームを組み、さらに幾つものモンスターを狩っていく。また、ギルドによって命を賭ける狩りを行うハンターも職業に近い存在になっていった。
そして今、彼の地では人が最も力を持つようになった。
そうして余裕ができたハンターのなかには生きる為に狩るのではなく、狩る為に生きるハンターも少なくないのだ。
モンスターの驚異がなくなると同時に各地域には村が広がり、それを追うようにしてギルド支部がいくつも作られた。支部をまとめる本部は王国に対等するかの様にたっている。
実質ギルドは王国に近い力を保有している。これに対して王国も何も言えないのが現状である。王国の兵といえど対モンスターにおいてはプロのハンターには敵わないのだ。
彼の地。この世界にはモンスターがいた。
彼の地。この世界にはハンターがいた。
これはその彼の地の狩人の物語である
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