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沙織は、俺の返答を待っているのか、少し俯いて黙っていた。
その沙織に理由を問えば、「終わり」にしかならなそうで恐くなった俺は、問うことも返事をすることも出来ずにいた。
テレビからもれる、芸人のキンキンした笑い声が沈黙をかき消そうとするが、はりつめた空気まではかき消せなかった。
番組がCMに入ったところで、沙織が口を開く。
「私、好きな人ができたの…」
「………!!」
音をたてて俺の心が切り裂かれた。
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