いち

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ただ悲しくて、ただひたすら悲しくて、泣いて泣いて泣き続けた。 信一……。 喉につかえる堪えきれない悲しみ。 私は泣きながらキッチンへ向かった。 私は今までに何度ここで信一にご飯を作っただろう。 ハンバーグ、作ってあげるって約束していたのに結局作ってあげられないまま信一は死んでしまった……。 私はペティナイフを取り出した。 ペティナイフを心臓にあてた。 どうかすぐに逝けますように。
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