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鳴海商業高校
Ⅰ-4
近藤奈々のクラスは
三つの派閥によって分かれている
生徒会長の阿部晶子を中心とした、常に成績ではトップクラスで生徒会の役員ばかりを集めたグループ
そして
渡辺薫の主に万引きや恐喝、いじめ等で何度も注意を受けているグループと
渡辺薫が唯一、ライバル視している生徒のグループ‥
「あんた、また近藤奈々に万引きさせようとしたんだって?」
放課後、渡辺薫にそう言ってきたのはそのグループのリーダー格である
沢田美奈子だった。
「お前に関係ねぇだろ。」
そう言うと薫は美奈子を睨み付けながら教室を出て行った。
「奈々。」
下校途中、呼び止められ振り向くと、同じクラスの岬まおが立っていた。
ハンバーガーショップで二人は時間を潰す事にした。
「でもウチのクラスって変わってるよね~」まおが無邪気にハンバーガーを頬張りながら話していた。
「うん‥まおも誘われたの?」
奈々が聞いた。
「アタシ?私は嫌。どのグループにも入んない。だって最悪だよ、万引きとかさせられるんだから。」
奈々の顔色が変わっていった
「美奈子の所なんてさ、バックにチンピラみたいなのが付いててさ、あんなのとつるむとロクな事ないって。」
「私‥先帰るね。」
そう言うと奈々は席を立った。
「え?どうしたの?」
まおは訳も分からず奈々を見送った
奈々は先日、渡辺薫からグループに入らないといじめると脅されていたのだった。
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