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まだ、朝日が顔を出した頃。
普段ならまだ夢の中にいる祓達は、清に大広間に集まるよう命令を受けて、寝惚け眼をこすりつつ、清の前に座っていた。
しかし。
“大事な用がある”と呼ばれたのはいいが、肝心の清が中々口を開かない。
そして、眠い中無理矢理ここに連れてこられた祓は とてつもなく機嫌が悪かった。
その上、元々祓は気長な方ではない。
初めの方こそ黙って話を待っていた祓だが、いい加減、プチンとキレる。
それと同時に祓は席を立つ。
そして、用事がないなら帰りますと怒鳴りつけようとして──
清の顔が、随分難しいと気付いた。
眉間の皺が、いつもよりくっきりしており、疲れも見える。
祓が呆然として立ち尽くしていると、清はそこで初めて祓を見る。
「座れ」
相変わらずの冷めた口調でそう言う。
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