第1節

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「………動かないで。」 女性はそう言うと、光る指先をリシャールの額に押し付けた。 「………!?」 その行為に一瞬戸惑うリシャール。 だが……すぐに理解することになった。 「…………あ。」 女性が指を離し「もう良いでしょう。」と言うと同時に、身を翻して背を向ける。 「………リシャール?」 一連の流れに置いてきぼりを喰らった感を覚えるイリア。 ―――しかし、女性はそんな事も意に介さずに部屋を後にした。 「それじゃあ、盟主の部屋で待ってるから。………早く来なさいよ。」 その言葉を残して―――。  
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