954人が本棚に入れています
本棚に追加
玉座に腰を下ろし、その周囲に立つ3人。
「久しいな、ゲヴェル。………そしてジンバ。何万年ぶりだ?」
盟主と呼ばれる者は、まず先に第3魔界の魔将軍を名指しする。
「………あれ程、人を憎み、野心を持っていた貴様が……今は守護者としてアルトリウスに牙を剥いた。何が貴様を変えたのか、興味深いな。」
その中でも、盟主は紫苑に宿るゲヴェルに向けて言葉を紡ぐ。
「………我等は只、気付くのが遅すぎただけだ。」
それを受け、紫苑の体に意志を伝えるゲヴェル。
紫苑の代わりにゲヴェルが肉体を支配し、ゲヴェルの代わりに紫苑が腕輪の中へ意志を移す。
「人との共生。………それは、魔族の使命に反する行為。だが、貴方はそれを選んだ。多くの魔族を敵に回してでも―――」
ゲヴェルの次はジンバが口を開く。
話の内容を知らぬ者は、何も出来ずに見守る事しか出来ず………
それは、魔将軍のヤブソンもが同じ思いを感じていた。
最初のコメントを投稿しよう!