第2節

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「待ってくれよ。………どういう意味だ?」 リシャールはゼゼクの言葉の真意を問い質す。 「そのままの意味だ。………君達にはもう、戦う理由が無い。」 「意味ならある!!」 言葉を繰り返すゼゼクに、少年は声を張り上げた。 「俺はまだ、俺達の村を焼いた魔族を突き止めて無いんだ!!………皆の仇を討つまで、俺は剣を置かねえぞ。」 盟主の意に反し、意志を主張するリシャール。 その横ではラグナもが同じ瞳を見せており、力強く頷いていた。 「………辞めておけ。今の君では犬死にだ。」 しかし、ゼゼクはそれを否定した。 「第1魔界から人間界へ繋がる門は、閉ざしてある。………外界から紛れ込む事はあっても、出る事は叶わない。」 それは、ゼゼクが統治する第1魔界の者が、少年の村を襲う訳は無いとの意味を有していた。 よって、リシャールが探している魔族は第2魔界の住人。  
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