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「………うぅ。」
リシャールは唸りをあげ、静かに瞼を開く。
瞳には明るい光が差し込み……光の中に動く人影が映り込む。
2つの影
その1つは、少年にとって見慣れたシルエットをしていた。
「………そこに居るのはイリアか?」
ボヤける影は、少年の声に反応して急いで駆け寄って来る。
「リシャール。目が覚めたの?」
イリアは心配そうな声で、リシャールの顔を覗き込む。
「………寝たままでお前を呼べるのかよ。」
「う……。寝言とかなら言えるんじゃない?」
「起きてる人間との受け答えは出来ないけどな。」
横になりながらハハっと笑うリシャールに、イリアは
「………イジ悪。」
と頬を膨らませてしまう。
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