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「『第1魔界・マゼラニア』。人間と魔族が共生する世界………。だから、此処の魔族からは敵意の欠片も感じないの。」
「………選りに選って『魔界』かよ。」
肺に残された空気を全て吐き出し、落胆するリシャール。
その時、扉の方から聞き覚えの無い女性の声が聞こえてきた。
「第3魔界から転移したんだもの。無理も無いわ。」
声に反応し、扉へと視線を移すリシャールとイリア。
視線の先に立っているのは、20前半を思わせる人間の女性であった。
「………あんたは?」
「説明は後よ。………盟主が貴方達に会いたがっているから―――」
コッコッと音を鳴らし、歩み寄る女性。
その間に呟く様に何かの魔法を詠唱し、指の先を青く光らせる。
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