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中に入ると綺麗なガラスのテーブルが目に付いた、そして窓際にある白い椅子。依頼人は椅子の背もたれに腰を掛けて外を眺め、笑顔を常に被っている。しかしまだ頬にうっすらと痣が残っていた。
「おはよう、朝から機嫌が悪そうだね」
「まぁな・・・、準備は出来ているのか」
「持ち物は外だからねぇ、準備は必要無いんだ」
男は椅子から飛び降りて近づいて来た、サッと手荷物を奪われる。物を言う間もなく男は部屋を後にした。
「勝手な行動をするな」
「何でぇ?キミはただの護衛さんなんだから良いじゃん」
呆れつつも痛い所を突かれて言葉が返せない、その間も男はさっさと歩いていく。部屋を出る際にラーディ主任と目が合ったが何も言わず、何も言わせず。無言の空間から逃げ道へ導かれるように男を追うしかなかった。
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