~第三幕~ 手遅れの謝罪

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先ほど使ったエレベーターとは違うエレベーター。鉄格子ではなく自動ドアの現代的な扉、壁はガラス張りで景色が良く見える。   「僕と話したって誰かに言った?」   やはり男も気付いていたようだ。   「いや、言ってない」 「良かったね、言ってたら色々質問攻めにあったよ」 「何故だ?」 「それは秘密、秘密だから秘密」   男には秘密がある。それを知ってはならない、知られたくない理由も知ってはいけない。そう解釈する。確かに初めて話した時も色んな疑問があった。しかし、だからといって秘密を探ってはならない。諜報とは秘密を管理する機関、秘密は探るのも守るのも仕事次第だ。   「僕の名前はウェルシュ、ウェルシュ・コーアン。よろしくねぇ」 「私は・・・」 「シェリルだったよね」 「あぁ、シェリル・フアナだ」 「シェリル・フアナ、か。可愛い名前だねぇ」 「馬鹿にしてるのか」 「とんでもない、本心だよ」 「そうじゃなくて・・・」 「怖い顔はしない、運命の再会を喜ばなきゃ」 「何が運命だ」 「ん~・・・、君って言葉遣いは悪いけど顔は綺麗だね」 「お前は見た目が大人びてるな」 「喋り方が子供っぽい?」 「子供だと思ってた」 「僕はもっと厳つい人かと思ってた」 「想像は当てにならないな」 「たった今、証明されたね」
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