―頑張れ―

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夕方 いつものように斗馬が横で寝ている。 リオは斗馬より先に目が覚めた 何も変わらないいつもの光景― 変わった事といえばリオと斗馬の間に隠し事がなくなったことだ。 『斗馬 仕事準備して。時間だよ?』 リオは脱ぎ捨てた部屋着を着ながら斗馬を起こした。 色白の優しい斗馬の体 優しく斗馬の肩に手を触れ軽く揺さぶった 『ん…おはよ リオ…』 まだ眠そうな目をこすり斗馬は体を起こした 『おはよう』 軽くキスをして斗馬はタバコに火をつける 『今日行ってもいい?』 『うん。平気 今日営業出来なかったからな 誰かさんのせいで』 リオの頭をくしゃっとして無邪気に斗馬は微笑んだ 『わかった ごめんね』 リオも笑って返事をした もうわだかまりがない 迷いもリオの中にはなかった。 斗馬のそばにいて斗馬が一番になって斗馬が幸せになるのが私の幸せ… 突っ走ろうと決めたんだ。 一緒にお風呂に入って店に向かう。 見慣れたメンバーが出迎えてくれる。 それが幸せだと思った 居場所はココだけだった。全てを話せて皆が笑ってくれる。皆が優しい 仕事のストレスが癒されていく。 風俗の仕事なんてお金が全て 私は斗馬の為に稼ぐんだ。 理由なんて誰にも言わない 私が決めた事だもん 仕事と店の往復が毎日のように続いた 売掛は毎月きちんと払い絶対に遅れない 仕事の嫌な事嬉しかった事を斗馬に話す 斗馬はいつも話しを聞いてくれた いっぱい笑っていっぱい飲んで仕事にいって 気づいた時には歯医者もキャバもやめていた。 感覚がない。 全部が遠い昔の事のようで覚えていない。 楽しすぎて振り返る余裕も先を考えることもできなかった。 大好きな斗馬といたいから風俗一本にしたんだよ?
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