《オトモダチ》

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《オトモダチ》        本当に悪い人なんかいない    だけど    本当に良い人もいない          俺はソレを認めたくなかった    ずっと綺麗な世界だけ  見ていたかったから         認めさせてくれたのは     お前だったな      壁の向こう側にいた筈のお前  いつの間にか俺の隣にいた      お前が俺にする事は全て    俺が以前  嫌っていたモノだったけど    どれも嫌じゃなかった    どれも初めての事だった        だからさ    初めてをくれたお前が    欲しいモノなら  なんでもやるし  やって欲しい事があるなら  なんでもやってやるよ      天国のテッペンまで  突き上げてやる      そうして  俺に全てを委ねて  俺を信じた時                突き落としてやる         お前が俺にしたように          どんな顔になるかな    歪むかな  青く、くすむかな      どれもいいな    なぁ、でも  思うんだ    天国のテッペンなんて  あるんだろうか    どこまで突き落とせばいい?         キリがないよ――……          どこまで           俺も一緒に  堕ちなきゃいけないんだろう
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