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「ひゃぁっ!!」
猛獣達が見ていたら、100%馬鹿にされる隠れ方だ。
廊下では硝子が割れた音と、散った硝子付近で暴れる生徒達の声が聞こえてきた。僕はずっと耳を塞いで、一人生徒会室に篭っていた。
「おい」
「わぁ!?」
いきなり、知らない男子生徒が入って来た。しかも、学ランには三年の学年バッジがキラキラと輝いていて…。
彼は僕の前に座ると、頭に手を置いて…。まるで、猫や犬なんかを撫でるみたいに頭を触ってきた。
恐くない、と思った。
「大丈夫か、お前」
「大丈夫、だよ」
「そうか。じゃあ、とりあえず机の下から出て来い。頭打ちそうだ」
「あ、うん」
初めて。
人から敵意を感じなかった。
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