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「俺、大石武人(おおいしたけと)お前は?」
「僕は…大塚信吾。よろしく、武人君」
「ああ」
武人君は僕なんかよりも大きくて、ずっと強そうだった。
男気溢れる感じだし。
「信吾、俺さ今日からの人だから。いろいろ教えてくれよ」
「え、あ…うん」
「サンキュ」
多分、彼もここの猛獣と同じだとは十分にわかっている。けれど、彼だけは僕の友達になってくれそうな気がした。
猛獣達の気配が無くなってから、僕は生徒会室を出た。まるで、鮫が去った岩陰から顔を出す魚みたいに。
それから彼等が割った硝子を片付けにかかった。
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