僕と弟

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僕の名前は『大塚信吾(おおつかしんご)』。僕は、百虎男子高校に通っている生徒。この高校には、血の気の多い猛獣達が目をギラギラさせていた。   僕は猛獣ってより、リスとかウサギとかスズメみたいに小さくて、弱々しい小動物。この猛獣の檻の中では言うまでもなく、相手にされない。つまり、アウト・オブ・眼中ってわけ。   今日も僕は、一人で帰宅する。   友達なんかいない。   何故僕がここに入ったかというと………。   『書類上の手違い』だ。   僕には『信也』という双子の弟がいる。   信也はこの百虎男子高校に入学する予定で、僕は玄武工業高校に入学するつもりでいた。けれど、書類を先生が書いた際に名前を書き間違えてしまったのだった。   だから僕はここにいる。         .
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