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名は『ブラックバーン軍曹』
生前は軍曹。
ブラックバーンは死後の通り名。生前の名前は忘れてしまっている。
因みに『ブラックバーン』は酒の名前。黒焦げの意味。
愛妻を遺して被爆したことを悔やんでいる。
肉体を失い、自分の姿すらも記憶から失い、結局保てた姿は骸骨。
妻は、私に気付いてくれるのだろうか…。
これが彼の口癖。
城に住んでいた訳ではないが、おどろおどろしい城の雰囲気が居心地良いらしい。
見た目以上に陽気で、ジゼルのひそやかな楽しみであるワインやら葉巻をくすねては、平和に過ごしている。
愛妻を語らすと長いので双子以外は誰も聞いてくれなくなった。
余談だが、妻はこの世に未練なく、七人の子供に看取られながら84歳で、この世を去っている…。
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