吸血鬼

2/2
前へ
/30ページ
次へ
■Dahlia■     棘の城に住むのは美しき女吸血鬼。 オーストリア出身の貴族の娘であったが、娘の死後 【父と母の罪】により除籍される。  だが、吸血鬼として目覚めた彼女は、誰よりも貴族的で美しい。何より貴族であることにこだわりを持っているのだ。頂く血も高貴な女性(少女)のものを好む。   吸血鬼になった特徴として生前の地位に固執する傾向がある。故に、アナグラムとなる名前を使い分けるのだ。  『Dahlia』ダリア(今)  『Hadlia』ハドリア(生前)  『Laidah』ライダ(予備)    15歳で原因不明の貧血により死亡。100年後、吸血鬼として目覚める。 眠る柩はハドリアと名が刻まれた【一枚の絵画】。 描いたのは新鋭の画家。 虚ろな目が見詰める先は宛も無い理想郷。   形を維持する為に食すものは少量の薔薇と大量の血液。   紅い唇は偽りの愛を紡ぎ。 掴まれると痺れ、快楽に支配される。   逃レる事を 赦 サな イ絶対 的支配。   幻想的な見た目とは裏腹に悪食な本性   嗜好品は執事が用意している、ワイン・ブランディ・、少量のチョコレート。   賛美歌を聞くと身が打ち震え 十字架に触れると焼け焦げ、陽を浴びると灰になる。      聴覚は人の脈打つ鼓動を拾い、視覚は赤と白と黒以外を灰色に映すネオジウム色の瞳。・・・が、自室の柩(絵画)は色を失わず存在している。そして、思い出せない過去に苦悩する。         ダリア ダリア 嘆きのダリア   君は笑顔を知らない…image=81635654.jpg
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

88人が本棚に入れています
本棚に追加