†始まり†

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医者と入れ代わりで、2人の中年男性が入ってきた。 話を聞いていると、彼らは警察だとわかった。 彼らは僕が記憶喪失になっている事を知り、何故自分がこうなったのかを事細かに教えてくれた。     あの日の夜、一人暮らしをしている僕の家に、姉夫婦がやってきて一緒にご飯を食べていた。 ここまでは覚えている。 その先は警察が言うに   僕の家に空き巣が入りこんだ。 僕らの誰かが空き巣に気付いたのだろう。 興奮した犯人は僕らを、持っていたナイフで刺し、現金・通帳などを盗み逃走。 その後、姉が『刺された。早く来てほしい』と警察に通報し、被害者である姉夫婦は出血多量で死に、僕は刺された場所が良かったのか、なんとか一命を取り留めた。     これが僕の失っている時間に起きた事らしい。   僕には刺された事よりも、小さい頃から仲の良かった姉が殺された事がショックでならなかった。
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