†捜索†

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アパートに戻るのは、何ヶ月ぶりだろう。 病院を出てからずっと実家の方に居たので、自分の部屋を見るのは久しぶりだ。   大家さんに聞いてみると新しい入居者はまだいないらしい。 まぁ殺人があった部屋だ。好き好んで入居する奴もいないだろう。 僕はカギをもらい部屋に向かう。   部屋に入ってみると、ガランとしていて、心なしか妙に重々しい空気が漂っていた。   壁など綺麗になっているが、事件当時は辺り一面に血が飛び散っていたらしい。 そう考えると警察の後始末における技術は凄いものだと感じた。   いろいろ探してみたが何も見付からない。片付けされてから半年もたっているんだ。何か見付かる方が驚きだろう。   やはり無理だったんだと、落胆し帰ろうとした時めまいに襲われ、その場にうずくまってしまった。
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