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「あ、そうか、じゃないよ」
「悪い悪い。でだな、70年間、本当は21年間なんだが、今日は70年だ。70年間といったらすごいよ、10年が7つだ、これが。まぁ、70年も生きてると、いろいろなことがあるな、うん。そりゃあ、あるよ。あるある。……。で、何があったんでしょう?」
「知るもんか!何だよ言うこと忘れちまったのか」
「ああ、そうそう。でな、その70年間生きてきてだ、てつ、てつ、鉄食ったら歯が欠けた」
「当たり前だ」
「ところが違うんだな、これが。誰も鉄なんか食いやしない。哲学なんだよ。て・つ・が・く。そこをお前は間抜けだから、俺が鉄食ったと勘違いするわけだ。あはははは、間抜け」
「何言ってんだ」
「で、その哲学だと、男の方が悪いんだ。悪いといったら、良くないんだ。悪は酒屋だというから、酒屋が一番悪い」
「それをいうなら、悪は栄えずだろ」
「でだな、俺は男だから、ビール瓶がある」
「何の話だよ、一体」
「あ、お前疑うんだな。そこまで言うならしょうがない、証拠を見せてやる。ほれっ」
「わっわっ、やめろやめろ。そんなもん見たかないよ。ズボンはけよ。まったく、何がビール瓶だよ、爪楊枝じゃないか」
「何か言ったか?」
「ん?何も言ってないぞ。で、お前が男でビール瓶だからどうした?」
「うん、だから常に上なんだ」
「へぇ、意外とまともなんだな。お前のことだから、もっとヘンなのが好みだと思ったが・・・」
「でな、これが区別ではなく、差別なんだ」
「へ?何の話だ?」
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