2人が本棚に入れています
本棚に追加
「だから、お前は男女同権だと思ってるから、男が上だといけないんじゃないかと思うんだ。そうだろう。そこが素人のあはかさは」
「それを言うなら、浅はかさだろ。それと、お前が言いたいのは差別じゃなくて、区別だってことじゃないか?逆だろう」
「そう、逆だ。その逆がなぜ逆かというと、さかさまだからだ」
「当たり前だ」
「人は時として、当たり前のことに気づかないもんなんだよ」
「お前だけだよ」
「でな、男と女がなぜいるかというと、恥ずかしくて口に出せない」
「じゃあ、言うなよ」
「ところがそうじゃない。役割を分担するためなんだ」
「ほう、なんだかまともっぽくなってきたな。で、それから?」
「だから、お前は心に余裕を持って、ばあさんを借りるんだ」
「はぁ?何言ってんだ、お前」
「どうだ、まいったか」
「まいらないよ」
「う~ん、お前にはちょっと難しかったかな、この話。そういえば、さっきどこかへ行くとか言ってたな。何の用事だ。女に振られに行くのか?」
「違うよ、お前じゃあるまいし。会いに行くんだよ」
「会うのか?」
「そうだよ、会うんだよ」
「それみろ、やっぱり別れるんじゃないか」
「何言ってんだよ。オレは会いに行くって言ってんだよ」
「いいや。いいか、ハジメ、お前が会うって言った時は、つまりは別れるってことなんだよ」
「何で?」
「昔からよく言うじゃないか、
『会うは別れのハジメ』」
最初のコメントを投稿しよう!