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「わははは、冗談じゃよ」
「冗談に聞こえないんだよな…。もうボケてっから…」
「何かいったかね、ん?」
「いえ!何でもありません」
「誰がボケてるって?」
「何だ、聞こえてんじゃないですか」
「もちろん、わしゃ、昔っから耳はいいんじゃ。さ、コーヒーだ。インスタントじゃがこれで我慢してくれ」
「はぁ、インスタントだろうが、スタンハンセンだろうが味なんかわかりゃしませんから…」
「で、どうしたい?何か困ったことでもあったかね」
「はぁ、それなんですがね…」
「ふむ、ま、言ってみなさい。助けになれるかもしれん」
「絶対に笑わないって約束してくれますか?」
「もちろん!わしは生まれてこの方、一度たりとも笑ったことなんかありゃせん。だから見ろ、笑いジワひとつできてない」
「え、だって、こんなにシワシワ…」
「それは泣いたときのシワじゃよ」
「何だかあやしいなぁ」
「ま、いいから言ってみなさい」
「はぁ、実は、…」
「え?なんじゃ、よく聞こえん。もっとはっきり言いなさい」
「……、……」
「男の子だろ、しゃんとせんか!」
「はぁ、実は…」
「うん、うん、実は?」
「…………」
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