冷えた指先

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12月 世間はクリスマスムード一色 「君塚ちゃん♪お客さん引いたから休憩にしよう」 「はい!」 もちろん私の働く【asterisk*】も例外じゃなくツリーを飾ったり、BGMをクリスマスソングにしている 「うわァ..ッ!!なんですかコレ!!?新作!!?」 「うん♪【asterisk*】特製クリスマスケーキ」 休憩のために事務所に入った私の目の前にはたくさんの大きなケーキ ブッシュ・ド・ノエルや定番の苺のケーキ、淡雪のような白いドーム型のケーキ どれも綺麗で美味しそう.. 「それ食べていいからね~」 「えッ!!マジですか!!?」 「マジですよ♪」 【asterisk*】で出すケーキは私が作っている『今日のオススメ』以外は全部マスターが作っている 以前独学だとケタケタ笑いながら話してくれたが、本当かと疑いたくなるほどマスターの作るケーキは美味しい 「じゃあ..いただきま~す!!」 よって、私は素直にケーキを食べ始めた 断る理由はないしね♪ 「そうそう..君塚ちゃんクリスマスあけといてね?」 「ふぇ..え゛!!?」 あけといてね..ってことはバイト入ってねってことだよね...? ケーキが喉に詰まってむせる私にマスターは悪魔のような笑顔を向けた 「君塚ちゃん♪ケーキ..美味しい?」
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