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「田代..喜一さんと言ったかな?」
「はい」
みちるが出ていったリビングでは所謂『大人の話』が始まった
「なぜあなたのような方が..?」
みちるの父親の口調は俺の全てを知っているようだった
まあ無理もないか
「...父をご存知ですか」
「知らないというほうが珍しいと思いますよ?..みちるは知らないようですが」
みちるの父親の言葉に俺は苦笑した
「みちるさんには..誠に勝手な話ですが父抜きで私をみていただきたかったので」
多方面に事業を拡大し今や世界的にも有名になった【田代財閥】
俺の父親・田代雄治[タシロ ユウジ]はその総帥だ
男は思ってもないことを言ってご機嫌とり、女は身体や家柄を惜しむことなく使って媚びてきた
誰もが『田代財閥の長男』である俺欲しさに
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