甘い時間の始まりは

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「すいません..大事な娘さんを騙すつもりはないんです」 けれどどんな綺麗事を並べてもみちるにこのことを隠していたのは事実 今日は『これ』を謝りに来たのだ みちるとの結婚話と順番が逆になってしまったが.. 「けれどどうか..」 「わかってますよ」 みちるの母親が頭を下げる俺に言った その言葉に驚き顔を上げるとみちるの母親は微笑んでいた 「でなければどんなにあなたがお金持ちだろうと可愛い娘との結婚はおろかお付き合いだって許してませんよ..ねェあなた?」 「ああ..まあ私はこの期に及んで謝っていなかったら即刻家から叩き出してましたが」 みちるの母親とは違う笑みをみちるの父親は浮かべた 笑っているんだけど目が笑っていない.. 「あなたは『いい人』だ..目を見ればわかる」 「...ありがとうございます」 みちるの父親の真っ直ぐな言葉は俺を子供のように照れさせた
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