甘い時間の始まりは

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嬉しい..? 私はキョトンと首を傾げた 「..今まで黙っていてすいませんでした」 「...え..あッいえ..」 「...そのせいでたくさんみちるにはツラい思いをさせると思います」 私の手をギュッと痛いくらいに握ったまま喜一さんは言った 普段なら直視するのが恥ずかしいくらいなのに 今は喜一さんに捕らわれているように目が離せない 「なのに..それがわかっているのにみちるを離したくないんです」 喜一さんの言う我が儘というのはこのことだろうか あまりにもつらそうに 苦しそうに言うから 胸が締め付けられた 「独り占めしたい..好きなんです..心から...」 ポツポツと降り注ぐ愛の言葉に私の視界がまた歪んだ 「愛しています..世界で1番...誰よりも...」 「..ッ」 「みちる..俺と..結婚してください...」
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