アナタと私とオムライス

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着いた部屋の無機質なプレートには会議室と書かれていて そこに私と喜一さんは入っていった 部屋に入るととてもいい匂いがしていて 何人かの社員達が一心不乱に食事をしている 「ふがふがんが――ッ!!」 「むがんがふ――ッ!!」 なにやら奇声を発しながら みんな忙しいんだね.. 私は苦笑いしながらその光景を見ていた 「喜一さん?ここは..?」 「社員達の餌場です」 「え..?」 『餌場』って.. 「明日香さんッ!!」 ふいに喜一さんが部屋の奥の方に向かって叫んだ 「は~いッ!!!」 奥から現れたのはお玉を持った女性 長い黒髪を後ろでひとつにまとめた小さくて可愛らしい人 年は私と同じくらいかな..? 「なんですか?社長さん」 「今日のメニューはなんですか?」 「オムライスですよ♪あッケチャップとデミグラス、どちらがいいですか?」 慣れたような2人の会話を私はただボーっと聞いていた
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