アナタと私とオムライス

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明日香さんの高い叫び声に耳がキンとなった どうやらそれは私だけではないようで 部屋で食べていた社員さん達も口は動いているがグルグルと目を回していた 「素敵ですッ!!社長さん結婚してらしたんですねッ!!!」 「あ..ああ、つい最近な」 「最近ッ!!?ぅわ~おめでとうございますッ!!!」 明日香さんのあまりのハイテンションに喜一さんも若干引き気味で『ありがとう』と言った 「あッそういえばお昼食べに来たんですよね!?今すぐ用意しますッ!!」 我に返った明日香さんは手をパンッと叩いて準備に向かってしまった 「あ..ッ」 どうしよう お弁当持ってきたっていうタイミングを逃してしまった 「明日香さんの料理はとても美味しいんですよ?みちるにも1度食べていただきたくて」 「え..」 喜一さんがにっこりと笑っているというのに なぜだろう 涙が出そう.. 「みちる?」 「あッ私ちょっとお手洗いに行ってきますねッ!!」 涙がこぼれないように お弁当を隠して逃げるように 私は部屋から出ていった
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