АМ6:00

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―――ドォーン!!――――― 午前6時 爆音と共に太陽が打ち上げられ朝がやってきた。 朝と言っても人工的に造られている朝だ。 そんな太陽の下にある街で少年は暮らしている。 秋山 豊(アキヤマ・ユタカ)は朝の爆音で目が覚めた。 この家には元気な爺ちゃんが1人いる。 父も母もユタカが小さい頃に事故で亡くなったと爺ちゃんから聞かされていた。 というわけで、この家にはユタカと爺ちゃん2人だけ。 起き上がるとユタカは毎朝決まった事をする。 冷蔵庫へ向かい、そのボロ冷蔵庫を開けるとラムネが隙間なくぎっしり入っている。 そして、その中から1本取り出し、慣れた手つきでラムネの蓋を開け口にした。 「ぶはぁ〰」 それを一気に飲み干した。 「あぁー! 目ぇー覚めたぁ!!」 朝の第一声をあげると、古臭い野球グローブを持ち、ブリキでできているドアをドンッと勢い良く開けた。 「爺ちゃん!行ってくるっ!!」 外へ駆け出していった。
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