[水鏡]

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そして今、僕は何も考えられないまま、入り口があったはずの近くに佇んだまま居た。 そして、何もないはずのこの世界に…水滴が落ちる音がした。  恐るおそる音の方へ向かうと、うっすらと光が射している場所があった。 僕は、思わずそこに駆け寄った。 だが、そこにあったのは壺。蓋が開き水がこぼれそうなほどに入っている。 そして何も落ちてきていないのに波紋が広がる、なんとも不気味な光景だった。
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