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陽飛は目を瞑る。
『网菜…』
数珠を通して話し掛けた。
『陽飛!無事なんだな!!』
『何とか。取り敢えず今から出るから、外からも攻撃してほしいんだけど』
『分かった。皆に伝える』
暫くかかるだろうから、陽飛は季里阿を見た。
「裏を封じないとなぁ」
相変わらず、季里阿の体からは黒いオーラが放たれている。
「せやな。扱えきれとるとは言えやんし……このままで人界にも帰せへんな」
李无も同意する。
「何かいい方法は…」
考えてみるが、分からない。
裏なんて封じた事もない。
[裏も翳れだからね。浄化なものを]
[なら、さっきの李无の霊力で出来てるはずだろ?]
それは鬼殺の妖力を取り除いただけだった。
[君の持ってる白剣。一応浄化の神のだよ?]
「あっ…」
白剣を見た。
姫羽が残していった剣。
浄化の力が篭っているはずだ。
「どうやるんだよ…」
問題はそこだ。
むやみに何かすれば、季里阿が危ない。
あーだこーだ悩んでいると、
『陽飛、準備が出来た』
网菜の声が頭に響いた。
「こうなりゃ、季里阿は後回しだ!」
今はこの酸の湖から脱出するのが先だ。
今は、李无の結界で無事だが、いつまで持つか分からない。
『せーの、でやるから』
『ああ』
陽飛は裏魂束縛をして、オーラを取り巻く。
そこに、李无の雷が巻き付いてきた。
「一時的な力や」
「ありがと」
陽飛は構えた。
『……いくぜ。せーの!!!』
「はァあ!!!」
陽飛は大きく双剣を振るった。
陽飛、髏雨、李无の霊力が鬼殺を内側から斬り刻む。
『グォアォオオオ!!!!』
鬼殺の叫びが、鼓膜を揺さぶる。
外からの震動も伝わってきた。
さらに第二の攻撃を繰り出した。
渦を巻き、傷だらけの肉壁に激突した。
そして、鬼殺の体が破裂した。
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