終焉

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視界が開ける。 「………」 季里阿はうっすらと目を開けた。 太陽の明るい光が目を焼き、慣れた頃にはばらばらと落ちていく肉片と精霊の衣が見えた。 「ぁ……」 鬼殺がやられた。 母さんの命を犠牲にした鬼殺が……。 季里阿はふっと笑った。 鬼殺に縛られていたはずの母の魂は、やっと解放された。 「ょ…か……た」 季里阿は再び目を閉じた。 陽飛は着地したが、酸でやられた足に響いた。 「いぁつ!!!」 かなり効いた。 「馬鹿やなぁ」 李无は綺麗に着地した。 そして、季里阿を寝かす。 何か言ってた気がするがあえて考えない事にした。 「陽飛――!!」 向こう側から网菜達が走ってきた。 季里阿のもとには家族が寄り添う。 「環、朔!治療や!!」 李无が二人に指示をした。 「言われなくてもやるって!」 環はぶつぶつ言いながら、季里阿に手をかざした。  シンリョウシュシュ 「神療守呪」   季里阿の体がぽわっと光った。 「……」 陽飛には無表情の朔。 「何か…怒ってない?」 「…別に」 陽飛の両足に光の布が巻かれた。 「あっ…そう」 いささか、布がきついのは気のせいか。
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