終焉

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沈黙が流れた後、陽飛は口を開いた。 「姫羽や仲間を殺した事は許せない」 季里阿はびくりと体を震わせた。 「でも、過去に死神もした事だし。片付けるには簡単だけど、おあいこってやつ」 陽飛は微笑んだ。 [いくら何でもおあいこは簡単過ぎるでしょ。沢山死んでるのにさぁ] [綺麗にまとめたのに文句言うな!] 口出ししてきた髏雨に怒鳴り、陽飛は咳払いした。 「とにかく、ただの上級死神の俺が言うのもなんだけど……許す」 季里阿の体から力が抜けた。 「回りくどい言い方しないでよ。心臓に悪い」 胸を押さえる季里阿ににやりと笑った。 「ちょってした冷やかしだ」 「……」 ぶすっとした顔をした季里阿は、何か思い出したように見開いた。 「あっ…」 「どうした?」 「ええと…非常に申し上げしにくいんですが……」 冷や汗をだらだら流す季里阿に首を傾げた。 「鬼殺の妖気でいろいろ歪みがおおじたかもしれないんだ…」 「……はい?」 「つまり、鬼殺の強い妖気で異界との亀裂が入ったかも…ボクが小さい時にあったし……」 「つまり?」 陽飛の表情が険しくなる。 「あちらの方から沢山の鬼がおでましに…あはは」 誤魔化しに笑う。 「あはは、俺らがそら頑張らんと……………………………じゃねぇ!テメェは歪みを直してから帰れ!ボケェ!!!」 陽飛は季里阿を蹴り飛ばした。
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