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暫くして、瑪瑙が出てきた。
「ん?」
瑪瑙は陽飛を見た。
思わず陽飛はびくっと肩を震わす。
[…どーも]
中の髏雨が挨拶する。
「ほぅ、すっかり仲良くなっている様だな。髏雨」
[仲良くないですよ。この能無し表の世話係してるだけです]
[テメ…]
陽飛は額に青筋を浮かべた。
いい奴だと思い始めたのに。
そう思っていた自分を恨みたくなった。
「素直でないな。
まぁいい。もう用は済んだ。入っていいぞ」
ふっと笑った瑪瑙は衣を翻して、廊下を歩いていった。
当然のように冰牙が着いてく。
「何してたんだろなぁ」
「さぁな。さっさと用済まして寝ろ」
网菜は陽飛を部屋に押し込んだ。
「来たか」
入ってきた陽飛達を見て、珠璃は微笑んだ。
「早めに終わらせろ。この馬鹿は病み上がりだ」
网菜が釘をさす。
「あ―気にしないで。で、俺に何か用?清隆に会いたいとか?」
陽飛はとんと胸に手を置いた。
「その通りだ…私は怪我が治り次第、幽界に堕ちる」
「!」
陽飛と网菜は目を見開く。
「だから、幽王と話をしていたのか」
「ああ、この魂を浄化するために。……堕ちる前に清隆に会いたい…無理と言うなら諦める」
珠璃は瞼を伏せた。
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