終焉

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      「とんだお人好しだな」 网菜は陽飛を床に座らせた。 「自分の体と私の心配も考えてくれ」 「でもなぁ…」 「でもじゃない。私がどれだけ」 「はいはい。以後気を付けます」 陽飛は過保護な网菜に苦笑する。 「でもな、助けれる奴は助ける。そうじゃないと俺が嫌な思いするから…」 すとんと腰を下ろした网菜の頭を撫でる。 「腕を食われても、魂を削ってでもか?」 陽飛は微笑んだ。 网菜は眉間に皺を寄せる。 「私はあまり無茶してほしくない……。それで陽飛が死んだら」 「不吉な事言うなよ。それにそんなんで死ぬタマじゃないからさ。てか、死ねないし…」 死ねば四季の神達に怨まれる。 それに、 「お前が寂しがるもんなぁ」 と呟いたら、頬をつねられた。 「たっ!!」 「誰が寂しがるって?」 「本当の事だろが!」 「寂しがる訳ない!」 「俺が生き返った時に週に二、三度は来てたくせに…」 ぎゅううう。 「いだだだ!!!すんませんっっ」 謝ると、手がぱっと離れた。 「ふん!」 网菜はそっぽ向く。 陽飛は頬を擦りながら、溜め息をつく。 まったく、素直じゃないパートナーだ。
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