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珠璃の部屋を出た後、陽飛は网菜に部屋に押し込まれた。
そして、ベッドに寝かされる。
「もう大丈夫なんだけど……」
「どこがだ!顔が青い!!」
「あーはいはい。おとなしく眠らせて頂きます」
陽飛は布団を被る。
その様子に、网菜は安堵した。
「私は豐に薬と包帯を貰ってくる。絶っっ対に寝てろよ!」
陽飛はひらひらと手を振った。
ぱたんと扉が閉まる音がする。
「はぁ~…ホントは亀裂を探しに行かないといけねぇのに」
今度部屋を抜け出したら、ベッドに縛られそうだ。
「そうだ」
きょろきょろと周りを見る。
ソファーの上に黄色い物体を見つけた。
「李无~…起きろ」
「んー……何や陽飛。わいも疲れとんねん」
李无は欠伸をしながら起き上がった。
そして、ぱたぱたと羽を動かして飛んできた。
「何やぁ傷が痛むんか?」
ぽすんとシーツの上に着地して、陽飛の足をぺしっと叩く。
「お前のせいで痛んだわ。えーと、疲れてる所悪いんだけど、亀裂を探してきてほしいんだ」
「亀裂?」
「鬼殺の妖力でおおじた亀裂。季里阿によれば、開くのに時間がかかるらしい。だからまだ、空間に線が走ってる状態みたいなんだ。それを見付けてきて。あと、見付けても塞ごうとするなだって」
「何でやねん」
「専門の術じゃないと余計に広がるからだと…」
だから、季里阿が回復するまでは放置しざるおえないのだ。
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