亀裂直し

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陽飛は半分寝ている状態で左腕を見た。 三人の手によって、腕にどんどん部品が付いていく。 「このネジは?」 「えーと、この穴に」 「分かりました」 「あれ…合いませんよ?」 「それじゃあここかも」 おいおい、本当に大丈夫かよ。と心配になってくる。 しかし、陽飛はこの三人を信じるしかない。 初めての手術だしなぁ。まっ、任せるとするか。 そのまま眠りについた。   「これで…よしっ」 巍椏はネジをしっかり絞めた。 三人は汗を拭う。 「終わりましたね!」 神経を繋げるのと、内面の調整が。 「後は、外の枠をつけるだけ」 「その前に動くか確かめましょう」 豐は寝ている陽飛の頬を軽く叩いた。 「陽飛さん陽飛さん!出来ましたよ!」 「…」 陽飛はゆっくりと目を開けた。 「んあ?終わった?」 「はい。少し動かしてみてください」 言われた通り、動かしてみる。 かちゃかちゃと鉄の指が動いた。 「おおー!すげぇ、動いた!」 久しぶりの感覚に、陽飛は嬉しくなった。 「これでばっちりですね。では、ラスト…始めましょうか」 三人は外面を付けるために、再び手を動かした。
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