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四時間にも渡る手術を終え、無事に義手を装着出来た。
「意外に軽い…」
陽飛はぶんぶんと左腕を振った。
「余計な部品を取っ払って、並べく軽くて丈夫な部品や鉄を使ったから、軽いと思いますよ」
巍椏はほっとしたように説明してくれた。
「ありがとな!」
「僕も趣味が生かせてよかったです」
陽飛は服を着た。すると、豐が駆け寄ってくる。
「陽飛さん、これ」
渡してきたのは黒い革製の手袋だった。
「鎌等を握る時に、傷が付かないようにです」
「分かった」
左手に革手袋をはめる。
「うーん…まだ違和感があるけど、慣れれば大丈夫かな」
軽いとは言っても、普通の腕に比べれば重い。
これは体力をつけないといけないかもしれない。
「きっとすぐに慣れるでしょう」
豐は微笑んだ。
「本当にありがとう」
陽飛はもう一度礼を言い、医務室を後にした。
今は急がなければならなかった。
昨日、李无に聞いた話では、亀裂がそろそろ開くという。
季里阿の様態は大分良くなった。
「今日の夜に行くか」
陽飛は早く、新しい腕に慣れるために練習場に向かった。
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