亀裂直し

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    「もう無理…」 愛は苦し気に呟いた。 鬼達が木を叩き、壊していく。 「もう少しだ!!頑張れ!!」 暁は焔出しながら叫んだ。 「ごめんなさい!無理……!!」 ぱぁん!と木々が砕けた。 鬼達がぶわぁと広がった。が、突如動きを止めて、皆同じ方向へと走り出した。 「何だ?」 和羅は愛を支えながら、鬼達の動きを目で追う。 「とにかく行くぞ!」               陽飛は亀裂からも城からも遠い場所に佇んでいた。 目を瞑り、近付いてくる複数の足音を聞く。 [来た…] 髏雨が楽しそうに呟いた。 「裏魂束縛」 ぶわっとオーラが出る。 【ホンマに大丈夫か?】 【ああ】 そして、陽飛は目を開いた。 鬼が迫る。 迫る鬼に向けて、構えた。 瞳孔は高ぶる気持ちで大きく開く。 [【…………今だ!!】] 合図と共に、双剣を大きく振りかぶった。
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