493人が本棚に入れています
本棚に追加
/350ページ
「もう無理…」
愛は苦し気に呟いた。
鬼達が木を叩き、壊していく。
「もう少しだ!!頑張れ!!」
暁は焔出しながら叫んだ。
「ごめんなさい!無理……!!」
ぱぁん!と木々が砕けた。
鬼達がぶわぁと広がった。が、突如動きを止めて、皆同じ方向へと走り出した。
「何だ?」
和羅は愛を支えながら、鬼達の動きを目で追う。
「とにかく行くぞ!」
陽飛は亀裂からも城からも遠い場所に佇んでいた。
目を瞑り、近付いてくる複数の足音を聞く。
[来た…]
髏雨が楽しそうに呟いた。
「裏魂束縛」
ぶわっとオーラが出る。
【ホンマに大丈夫か?】
【ああ】
そして、陽飛は目を開いた。
鬼が迫る。
迫る鬼に向けて、構えた。
瞳孔は高ぶる気持ちで大きく開く。
[【…………今だ!!】]
合図と共に、双剣を大きく振りかぶった。
最初のコメントを投稿しよう!