493人が本棚に入れています
本棚に追加
/350ページ
遠くで霊力が爆発したのを確認して、季里阿は亀裂のそばに降り立った。
「っ…」
息を飲むしかなかった。
とてつもなく大きい亀裂が、大量の鬼を吐き出していた。
「塞げるのか?」
「過去より倍大きい…。時間がかかるけどやるしかないね」
季里阿は自分の周りに結界を張った。
陽飛が惹き付けているとは言え、油断は出来ない。
蒐は風龍を召喚して、鬼達を切り裂いく。
「早くしろ」
「言われなくてもするよ」
季里阿は印を結んだ。
三匹
十匹
十四匹
二十匹
陽飛は一斉にかかってくる鬼を斬り倒していく。
開ききった瞳孔は目の前の敵だけを見つめる。
斬り裂いても蹴り倒しても手を伸ばしてくる鬼達。
「はぁ…はぁ……」
[息上がってるよ]
「るせ…っ」
後ろから飛びかかってきた鬼を蹴り飛ばして、切り裂いた。
時間がたつ事にひっかき傷が増える。
「うらぁ!!」
雷とオーラをぶっ放し、一気に鬼を葬る。
「季里阿はまだか!!」
鬼の中を駆けながら叫んだ。
【まだみたいや。なんや、もうへこたれたんか?】
「んな訳ねぇよ!!」
溢れてくる鬼は、陽飛に手を伸ばす。
くるくると翻りながら斬っていく。
すると、鬼の長い爪が右目を掻いた。
「くぅ…!」
陽飛は季里阿に早くするように祈った。
最初のコメントを投稿しよう!