亀裂直し

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    遠くで霊力が爆発したのを確認して、季里阿は亀裂のそばに降り立った。 「っ…」 息を飲むしかなかった。 とてつもなく大きい亀裂が、大量の鬼を吐き出していた。 「塞げるのか?」 「過去より倍大きい…。時間がかかるけどやるしかないね」 季里阿は自分の周りに結界を張った。 陽飛が惹き付けているとは言え、油断は出来ない。 蒐は風龍を召喚して、鬼達を切り裂いく。 「早くしろ」 「言われなくてもするよ」 季里阿は印を結んだ。 三匹 十匹 十四匹 二十匹 陽飛は一斉にかかってくる鬼を斬り倒していく。 開ききった瞳孔は目の前の敵だけを見つめる。 斬り裂いても蹴り倒しても手を伸ばしてくる鬼達。 「はぁ…はぁ……」 [息上がってるよ] 「るせ…っ」 後ろから飛びかかってきた鬼を蹴り飛ばして、切り裂いた。 時間がたつ事にひっかき傷が増える。 「うらぁ!!」 雷とオーラをぶっ放し、一気に鬼を葬る。 「季里阿はまだか!!」 鬼の中を駆けながら叫んだ。 【まだみたいや。なんや、もうへこたれたんか?】 「んな訳ねぇよ!!」 溢れてくる鬼は、陽飛に手を伸ばす。 くるくると翻りながら斬っていく。 すると、鬼の長い爪が右目を掻いた。 「くぅ…!」 陽飛は季里阿に早くするように祈った。
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