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陽飛は鬼の足を払って倒した。
くるっと剣を回して、その喉元に突き刺す。
もう片方の手は、飛び付いてきた奴の脳天に刺した。
「闇衣の夜叉君」
後ろから響いた声に、ばっと振り替えって、相手の胸に剣先を突き出した。
「敵と味方くらいは見分けましょうね!!」
それをひょいっと避けた季里阿は陽飛の頬をぶん殴った。
「っ…!!」
吹っ飛ばされた陽飛はずさぁと地面に倒れる。
そして、殴ってきた相手を睨んだ。
「テメェ…!」
「やぁ、正気に戻ったようだね」
季里阿はひょうひょうとして札を投げた。
陽飛の後ろの鬼が崩れる。
「寝そべってサボってないで戦ったら?今度は正気でね、陽飛君」
痛む頬を擦りながら、立ち上がる。
「オメェが寝そべらしたんだろが!」
陽飛は剣を振るって季里阿に飛び付こうとした鬼を薙ぎ払う。
そして、二人は背中を貸し合う。
「敵だっていうのに、君に背中を預けるなんてねぇ」
「昨日の敵は今日の友ってやつだ」
「君とは友になりたくないよ」
「ものの例え!俺もテメェとなんかヤダねっ」
軽口を叩きながら、鬼達を一掃していく。
季里阿は数枚の札を天に投げた。
何か術を使うようで、陽飛は季里阿の周りに鬼を寄せ付けないようにする。
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