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札が四方八方に飛び散り、五亡星を描いた。
「邪鬼を滅ぼさん、急々如律令!!」
五亡星が青白く光り、光の矢が鬼達を貫いて、討ち滅ぼしていった。
沢山いた鬼が一気に数を減らした。
「もっと早くにそれしてくれよ…」
陽飛は数えれる程になった敵を斬り倒していく。
「これ使うと暫く術を使えなくなるの!」
季里阿は短刀でそれに応戦する。
四季の精霊達もラストスパートにかけて、勢いを上げた。
「こいつで、最後だァ!!」
陽飛は最後の鬼を縦に両断した。
終りを告げるかのように、東の山から明るい光が漏れている。
「っ…」
かくっと膝の力が抜けた。
「大丈夫かいな…」
鎌と分離した李无が布を出し、切られた右目に当てた。
「あ…安心して腰抜けた……」
「情無いね」
季里阿がくすと笑った。
「テメェも膝震えてんぞ。本当は立つのもやっとなんだろ?」
「君ほどじゃないさ」
「意地っ張りはやめましょう」
陽飛が言うと、季里阿はぶすっとした表情で、地面に座り込んだ。
「あっ、朔か環。傷の手当て……」
「昨日から色々ぶっ続けだからもう霊力ないよぉ……」
環は苦笑する。
陽飛は顔を青くした。
傷さえなければバレない。つまり説教を逃れられると思っていたのに。
これでは説教行き決定だ。
[まっ、がんばれ~]
髏雨は応援するくらいしか出来なかった。
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