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「昨日、おとといが沙恵さんだったから……楓さん。よろしくお願いしますね」
そう言うと
「解った。給油するから」
ぽつりと独り言のように答え、スタッフ用の駐車場に向かう。
駐車場にはチューニングショップというより中古車屋のようなボロが放置してある。
隅にはバラバラになった車、潰れた廃車の山。
そこから少し離れたスペースのアルト・ワークスに乗り込み楓は近くのコンビニまで走る。
-「いらっしゃいませ!!……って!タンマ、タンマ!」
ワークスはガソリンスタンドにサイドブレーキで車体をスピンさせ滑り込む。
ド派手なスキール音を響かせ給油場所にぴたりと止める。
「お客様!」
ものすごい形相の店員に、
「レギュラー満タン」
一言だけ言い放ち窓を閉める。
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