開扉

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いつものように橘は学校から彼女と帰っていた。 ん?なんだあれ 公園の砂場に黒い、薄気味悪く光る本があったのだ。 「どうしたの?」 「いや、何でもないよ。…あっそうだ、今日はここで分かれないと駄目だ。親から用事頼まれててね…」 そう言うと軽くキスして帰らせた。 さて…あれは…。 普段あまり入らない公園だが、橘は人目を気にするように入って行った。 午後7時を回っていたので辺りに人はいない。 そして砂場に目を遣ると、本は公園の灯に照らされていて、一層気味悪く感じられた。 しかし何だこの本は…手に取るのが躊躇われるな… 何とも言えない本が放つ負のオーラに、橘はたじろいでいた。
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