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9月の祭りが終わり…
10月の祭りが始動。
寄り合いに走り込みに
本気モード突入。
家から比較的、
だんじり小屋が近かった為
太鼓の音が毎日聞こえる…
毎年同じ音のはずやのに
その年の音は
自分をふるいたたせる
何かがあった…。
青年団みんなの顔付きが
だんだん変わってくる。
気合いも入り、
とうとう本番。
団長の言葉…
「ええ祭りにせえよ」
「おもいっきり、いったらんかいっ」
その言葉に
サムイボがたつ。
走りだした瞬間、
またサムイボがたつ。
正直、
しんどかった。
でも
綱は意地でも
離さへんって決めてた。
休憩中に
みんなでラッパ飲みする
ポカリスェット。
もう男も女も関係なし。
後ろを振り向けば
いつも優しい
青年団の人達の顔はなく
恐いくらいの顔付き。
でもその日ほど
みんながかっこよく
見える日はなかった。
パレードが始まり
また気合いが入る。
自分の町が1番。
そのやり廻しを見てほしい。
早さを見てほしい。
びっくりするほどの
スピードがでる
自分の町のだんじりを
誇らしげに思った。
そんな祭りも一瞬。
いつの間にか
2日目の夜。
女もみんな飲んで
酔い潰れかけていた…
小屋に近づき
我にかえる…
「いやや。まだ曳きたいい…」
小屋の前をだんじりが
通りすぎるよう、
みんな必死で引っ張る。
でもまた小屋の前に
だんじりがつく。
でもまた引っ張る。
何度か繰り返した後
誰かが言った
「おまえら、ええ祭りやったんちゃうんかぃ」
涙がこぼれる。
小屋に入るだんじりをみて
また泣けてきた。
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