二年目

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7人はいつも一緒にいた。 高校も違う。 元々仲良かった訳でもない。 でも7人の心は一つ。 ★町を愛してる やっぱり青年団から離れ 寄り合いがなくなるのは 寂しかった… 走り込みが始まる時期 やっぱり寂しくなり 一人が言い出す 「走り込み、一緒に走らせてって頼みに行こうよ」 みんな、OKをもらう 自信は全くなかったが、 何もせず 諦めるのは嫌で、 町会館へ向かう。 頭を下げた。 半泣きになりながら みんなで頼んだ。 周りの青年団の男の人達は びっくりして 呆気にとられている 団長は困り顔で 副団達とコソコソ話す。 そして出た答えは 「走り込み終わってすぐ帰るんやったらええよ」 7人は大喜びした。 走り込みをして すぐに帰る。 7人はみんな約束を守った ある日 走り込みを終えた後 幹事が近付いてくる… 「今日くらい飲んで行きよ」 みんな笑顔になり 会館に上がる。 やっぱり青年団っていいな やっぱり★町が1番やよな 7人とも思う事は同じやった。 そしてまた祭りが来る。 去年よりも気合いが入り 去年よりとは意気込みが違う 7人。 パレードが終わり、 「今年はほんまにええ祭りやったわ」 と口々にこぼす。     2日目の夜、7人は 余韻にひたりながら 綱を握りしめ、前に進む。 誰一人も酔ってる奴は おらんかった 最後まで、ちゃんと だんじりを目に 焼き付けたかったから。 酔って忘れたりしたら 嫌やから… だんじり小屋が閉まった時 7人は去年と比べものに なれへんくらい 泣きわめく… 青年団の男の一人が言う 「年重ねる毎にええ祭りになるんやで。もう泣いたらあかん。祭りが終わった瞬間から次の祭りの始まりやぞ。始まりから泣いててどないすんねんな。またええ祭りにしよな…」 青年団じゃなくなっても こんないい祭りができた。 今までで 1番いい祭りができた。 それはきっと ★町に対する愛情が 去年よりも増したから…。 ★町に生まれ 育った事を誇りに思う。
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