第一章

10/16
前へ
/321ページ
次へ
放課後になり、わたしは委員会へと足を向ける。 なんとなく気分が浮かなくて、苛々しながら目的の教室へとたどり着いた。   「鈴木さんっ。こっち」 教室を覗き込むと、吉井さんが手招きしているのが見えた。 彼女も委員会に入ってる事を知らなかったわたしは、少し戸惑う。 仕方なく近くへ行くと、彼女はわたしを見つめ、怒ったような顔をした。 「遅いよ。何してたの?」 まるで友達のように文句を言う彼女に苛立ちが増し、思わず顔を背ける。 「ごめん」 それ以上話す気になれなくて、黙って席に座った。
/321ページ

最初のコメントを投稿しよう!

878人が本棚に入れています
本棚に追加